2005-01-20

あなろぐ時間

 昨日撮った写真を現像に出すために旭川ヘ行く。ちかくに写真屋さんはいくつもあるのだが、もう十年ちかく、花咲町にある光画堂へ通っている。もともとは買い物公園の六条にお店があったのだが、いまは町中からすこし離れた閑静な住宅街にギャラリーを兼ねてお店を構えている。
 デジカメ全盛の今どきフィルムカメラしか持っていないのは時代遅れだといわれるが、アナログの良さは時間を楽しむことができる趣味人にしか味わえない。撮った瞬間は映っているかどうかさえアヤシいし、現像のためにわざわざ写真屋さんへ足を運び、さらに出来上がりを取りにいくというのだから、手間はデジカメの数倍だ。
 しかし現像が上がってくるまでのワクワク感は、取った瞬間に結果がわかるデジカメにはないものだし、思い通りの結果にならなかったときに、どうしたらうまく撮れるのかを写真屋さんに聞くという楽しみもある。それが上達につながる。
 ご主人には失礼だが、忙しいことがあまりなさそうなので、行くたびにお茶をだしてもらい、一時間ほどカメラや写真の話をして帰ることが多い。ショーケースに旧ソ連製のアヤシいカメラなんかが並んでいるとつい手に取ってみたくなり、滞在時間はさらに延びる。下手をすると、現像を出しにいっただけなのに気がつくと半日仕事だったりする。だけどこれが無駄な時間の過ごし方だとはまったく思わない。好きなことのためにゆっくり時間を割けるのだから幸せなのだ。
 考えてみると、これは我々の仕事でも同じことだ。時間内にコースを歩きさえすればいいというわけではない。時間の許す限りゆったりと自然の中でお客さんと語らうことが大切なのだ。たんなるコースのナビゲーターであったり、知識だけを伝えればいいというのなら、ロボットにもできる。量販店やネットでものを買うような味気ない思いをお客さんにさせるような仕事をしていたのではそのうち閉店ということにもなりかねない。心してかからねば……。
 ゆったりと時間を過ごしたあとは東川へ取って返し、進化台にある「アグリテック」ヘ行く。担当の中田さんと「今後の協力関係について」という話題で二時間ほどお話をする。
 趣味とビジネスをしっかり使い分けるのもプロの腕、という一日だった。

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