2005-03-28

「厳冬の旭岳」から「冬の山麓」へ

 旭川駅でお客さん三名をピックアップして山へ向かう頃から雪が本降りになってきた。東川市街地から旭岳温泉へ向かう途中ではときおり日がさし、回復するかと期待されたが、どうやらそれもぬか喜びに終わる。
 ロープウェー山麓駅の掲示板によると、姿見駅の気温は「-15℃」ということだった。ロープウェーからはうっすらと雪が降り積もったアカエゾマツの森が見えるだけで、遠くの視界はない。
 駅舎で準備運動をし、身支度を整えて外へ出る。視界はほとんどない。コンパスをたよりに第一展望台まで登るが、強風と視界不良で行動は危険と判断し、すぐに駅舎に引き返す。地図と磁石の使い方の話をしたり、お昼ご飯を食べたりして天候の回復を待つが、いっこうに吹雪は収まらないので、12時30分に下山を開始する。
 旧天女が原駅のあたりまで下ると、風は弱まり、静寂の森を楽しむ余裕が出てくる。積雪深は3メートル50センチほど。スキーコースを外れて深雪のなかへ入ると膝くらいまで埋まる。たぶん今シーズン最後になるであろう深雪ラッセルを楽しみつつ、温泉街まで森のなかを下った。
 もうすぐ四月だというのに厳冬の山を体験した一日だった。

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