2006-06-30

恋するハイマツ

鮮やかなハイマツの花。この花が咲くと、「もう夏ねぇ」と感慨深くなります。

今年伸びた若葉のてっぺんで、ツンと澄ましているのが雌花。一際目立っています。

若葉の根本を取り囲むように侍っているのが雄花。なんとか雌花にお近づきになりたいと競い合っているかのようにも見えます。株によっては、既に黄色い花粉をいっぱいに出していました。

このあと、雌花が受粉して実をつけますが、実が熟するのは冬を越して来年の秋。二年に渡る長い長いハイマツの恋物語なのです。

2006-06-29

ガスの日登山

しょっちゅう山に入っていると、こんな天気の良い日に当たることもあれば、今日のようにガスにまかれっぱなしの日もあるわけで。

今日は、扇沼山から三川台への下見です。せっかく三川台まで行くなら、ついでに足を伸ばしてトムラウシまで往復してしまおう、と気合いを入れて歩き始めました。ところが道中ずっと雲ガス雲ガス。

7時10分 登山口発:もくもく雲が増えてきました。

8時05分 扇沼山:おやおやガスがかかってきましたね。

9時30分 三川台:ちょっと回復してきてる?

黄金が原のあたりから雲に隠れた十勝連峰を望んでいます。今日最も晴れた一瞬です。

10時40分 南沼野営指定地:すっかりガスにまかれてしまいました。

11時00分 トムラウシ山頂:とうとうポツポツと降り出してきました・・・。まいったなあ。

この後、どんどん強くなる雨と、登山道に覆い被さる笹のおかげで、すっかり濡れそぼって下山することになりました。

こんな遠望が望めない日は、登山道脇の花に癒されるのが一番ですね。ツガザクラが見事な株で咲いていましたよ。

さて、7月2日のツアー本番は、いったいどんな天気になるのやら。今日さんざん濡れたのですから、きっと晴れてくれるはず!

2006-06-28

花の富良野岳

今週末・7月1日(土)にオリジナルツアーが設定されている富良野岳。雪が残りすぎていないか、お花の先具合はどうか、一昨日確かめに行ってきました。

旭川を出るときはどんより低い雲が空一面にかかっていましたが、登山口に近づく頃にはすっかり青空。久しぶりに「暑い!」といいたくなるような陽気です。見上げる富良野岳にも雲一つかかっていません。

今年はどうも高山植物の開花が遅れている様子で、富良野岳でもようやく咲き出した花々がちらほらと見られるくらい。それでも、

チングルマ


イワウメ


ツガザクラ


と、山を彩る花たちが続々顔を見せ始めています。そしてこの日、最も目立っていたのが、これ。

ハクサンイチゲ


富良野岳へ至る最後の斜面が、一面白く見えるほど、満開に咲き誇っていました。きれいな花です。

土曜日にはいろいろなお花がさらに見頃になっているはず。今から楽しみです。

2006-06-26

どうやら一番乗りだったらしい

週末の高原沼。土曜日にツアーで行ってきました。

入口にあるクマセンターで入山者名簿に記入すると、すぐ上に赤線が引かれています。前の人が記入した日付は9月。ん?9月?今は6月なのに。ということは・・・。去年の9月ということなのでしょうか。そして、私たちが今年最初の利用者ってこと?

クマセンターの職員さんに確認すると、やはりその通りでした。前日から一般の入山が解禁されたものの、天気が悪く利用者が無かったとのこと。

そんなわけで、晴れて果たした一番乗り。残雪が融け青い沼になりつつある様を、新緑が萌え残雪に映える様を、真っ先に楽しんできたのでした。

秋とは段違いに人気のない高原沼。今なら静かに楽しめますよ。

2006-06-25

あえて今

1日好天だった日にこんな写真を載せるのもなんですが。

露に濡れるトドマツ。枝先に赤い小さなふくらみが。花?いえいえキレイですが花ではありません。実?それも違います。これは新芽の塊なのです。赤い部分は新芽の赤ちゃんを守る外皮で、もうしばらくすると、ぱかっと割れます。すると中からいかにも柔らかそうな若葉が現れるのです。

咲きはじめた高山植物に目を奪われがちなこの季節。たまにはトドマツの枝先にも注目してあげてください。

山開きの平山

きょう山開きが行われた平山へ行ってきました。

2006-06-24

晴れ晴れ

いったいいつ以来のことでしょうか?ずいぶん長らくご無沙汰していた気がします。毎日々々しとしとしとしと降り続く雨の日々を越え、今日ようやく再会することができました。いよっ!待ってました!たぶん一週間ぶりくらいの青空なのです。

そして、こちらもお待ちかね。柔らかな陽が射す森の小道なのです。

合間合間に小雨が降り、完全な晴れの日とはなりませんでしたが、さわやかな天候に会えて気持ちの良い一日でした。

2006-06-23

自然の摂理

雨の中、姿見の池を散策していると、歩道のすぐ脇でぬいぐるみのような子ウサギを発見。のたのたとガンコウランを乗り越えて移動する姿に思わず見とれてしまいます。茂みから頭だけ出したりして。か、かわええ。

そこにもう一匹、キツネもやってきます。人間から餌をもらうことに慣れたキツネとは違い、引き締まっていてなかなか精悍です。きびきびと歩く姿にほれぼれ。

すぐ近くで二種類も動物を見られてツイてるなーと思ったのもつかの間。あれ、あれれ。あなた何をくわえているのですか?

さっきの子ウサギではないですか!・・・なんと衝撃的な結末。

一瞬、「かわいそう」という気持ちが胸をよぎります。でも、このキツネはもしかすると今春生まれたばかりの子ギツネにエサを運んでいるのかもしれません。

ウサギもキツネも生きることに必死で、その結果としてキツネがウサギを補食した。とするとそれは自然の摂理であり、傍観者である人間がどうこういうものではないのでしょうね。

2006-06-21

増毛から暑寒別岳

今月28日にオリジナルプログラムの下見のため、暑寒別岳に登ってきました。
詳細はこちらへ。

2006-06-20

残雪と新緑と透きとおる沼

今週末のツアーに備えて、高原沼に行ってきました。旭川を出発したときには曇り。愛別のあたりで霧雨が降り出し、悪天の中の下見を覚悟したのですが、長いトンネルを抜け大雪湖に至ると、なぜか青空。赤岳から緑岳までの稜線もはっきり見えています。単なる下見とはいえ、天気はいいにこしたことはありません。この幸運をありがたく堪能するとしましょう。

登山口にあるクマセンターも快晴の青空の下。ここからヤンベの沢を越え、最初に現れる沼「土俵沼」の直前までは、ほぼ夏道が出ています。ところどころ現れるミズバショウの群落を楽しみながら歩を進めます。

途中の名もない小沢。バイカモが清流の中をたゆたっています。

土俵沼直前の橋のあたりからは、雪の世界が始まります。土俵沼・芭蕉沼・滝見沼・緑沼・湯の沼・鴨沼・蝦夷沼・式部沼・大学沼・高原沼・空沼と、次々と現れる沼もまだほとんどが雪の下。

式部沼は雪の上にわずかに水がたまっている状態。奥には緑岳。

高原沼と空沼の中間地点。見上げる高根ヶ原。ここは沼巡りコース中、最も標高が高い場所で、沼々を囲む新緑の上に石狩岳・音更山が顔をのぞかせます。写真をよく見ると黒い人影が二つ。クマセンターの職員さんです。

水を湛える空沼。切れ落ちた雪の塊が水の中に入り込み、そこだけ淡い青に色を変えています。空沼は雪が残る今時期に見るのが一番きれいだと思うのですが、どうでしょう?

空沼を越えるとあとは沢沿いに下るだけ。みずみずしいリュウキンカがそこかしこ。沢の水は大幅増量中で、途中1箇所渡るのに緊張する場所があります。水かさも増えていますので、長靴は必須です。

新緑を通り抜ける木漏れ日。暑いくらいの陽射しでしたが、森の中はひんやりと涼しく快適です。

クマセンターの方に伺ったところ、高原沼巡りコースの通行禁止が解かれるのは6月24日(土)の予定だそうです。

一般の方を迎えるにあたって、橋の手すりを設置し雪原上にルート旗を立ててくださっています。

幸い週末は天気が良いようです。残雪と新緑と透き通る沼々に会いに行きませんか?

2006-06-18

旭岳開山祭「山の祭り」終わる

 山開きを前に登山者の安全を祈願して行われる旭岳の開山祭「山の祭り」がきのう行われた。
 メインの「ヌプリコロカムイノミ」の前座として地元の山関係者によって演じられた「女ギツネ”あねご”物語」は、純真なキツネが、観光客が与えたエサでヒトの食べ物の味を覚え、最後にはテントを荒らして食料を奪う札付きの悪になっていく過程をコミカルに描いたもの。付け焼き刃的な練習の成果がいかんなく発揮され、台詞を忘れたり、ぶっつけ本番で勘違いの演技が飛び出すなど、冷や汗ものの展開だったが、なんとか最後まで演じきることができ、観衆から暖かい拍手をいただいた。ヤレヤレ……。
 劇のあとは、旭川のアイヌ記念館館長の川村さんや、トンコリ奏者のOKIさんなどアイヌ民族の皆さんによる安全祈願「 ヌプリコロカムイノミ」。神火が風に煽られて火の粉がふりそそぎ、参加者が避難するというハプニングもあったが、厳粛な雰囲気のなか、カムイノミの声がアカエゾマツの森に響き渡った。
 ロープウェーはきょうから夏の営業になり、いよいよ夏山シーズンが始まる。

2006-06-17

他力本願

現在、諸事情によりネット接続が非常に遅くなっています。来週半ばまで満足に更新できなさそうです。

その分、おそらく「幻の代表」佐久間が、獅子奮迅の書き込みをしてくれるはずです。今日、旭岳で行われる山の祭りにも参加していますので、その模様も伝えてくれるでしょう。脚本佐久間による「寸劇」がどうなったのか、気になるところです。

2006-06-15

道路交通情報

扇沼山登山口へと向かう「台地林道」は現在改修工事のため通行禁止となっています。期間は6月19日まで(予定)。林道の一部に崩落があったそうで、工事車両が出入りするために、一般車は台地林道ゲートから奥へは入れないとのこと。今週末扇沼山登山を計画されている方はご注意ください。

私たちも、ちょうど今週末ツアーで行く予定だったのですが、これでは中止にせざるをえません。残念です。

この時期の扇沼山は、登山口から途中の岩場を越えるあたりまで雪に覆われています。夏にはぬかるむ登山道を歩かなくてよいですし、なにより新緑が映えてきれいです。山頂から見下ろす硫黄沼も雪から顔を出し始めますし、山頂から続く尾根にはいち早く高山植物が咲き出します。

ああ、行きたかったなあ。

2006-06-14

新緑の武華山

昨年6月の武華山ツアーは残雪が多すぎて林道に入れず、やむなく中止となりました。今年はいかがなものでしょう?下見に行ってきました。

石北峠を越えてすぐの橋から。今日歩くほとんどのコースが見えています。一番高く見えるのはライオン岩。中央やや左よりが山頂。奥まっているため低く見えています。

つるつる温泉の看板から林道に入ると、登山口までの全線で工事が行われていました。トラックや重機とのすれ違いに神経を使います。道は荒れており、登山口の駐車スペースも狭くなっていました。

歩き出すと新緑のまぶしいこと。芽吹き後の葉が大きく開こうかという頃。鮮やかなものです。

林床ではコミヤマカタバミが目立っていました。

今日は反時計回りで登ってみました。しばし川沿いを歩いた後、ぐいぐいと高度を上げると、ライオン岩が見えてきます。ここの登りとライオン岩からの下りは、倒木がうるさい感じです。登山道を辿るのは簡単ですが、まだ雪も残っています。

ちょっと登るとすぐに森林限界を越えるのがこの山の良いところ。ハイマツ帯ではキバナシャクナゲがはや見頃。

さらに、高山帯歩きが長いのもポイント高し。あらゆる方向に景色が広がり、北大雪・表大雪・石狩などが一望の下。今日は見えませんでしたが、阿寒方向の眺望も良いです。山頂までは、山々を眺めながらゆっくりと行きましょう。

そして山頂。後に見えるのは表大雪。

ここまで1時間半。下りに1時間。旭川方面からはちょっと遠いですが、手軽に登れる良い山です。

2006-06-12

高原温泉

 6月9日に高原温泉の林道がオープンしましたので、さっそく様子を見に行ってきました。
詳細はこちらへ

颯爽と自転車

自転車デビューしたという我らが代表、ご存じ佐久間弘。その新しく手に入れた自転車を駆る姿を、写真に納めることに成功しました。
普通サイズの自転車のはずなのに、大きな体で乗るとどうしても小さく感じます。東川の田園風景の中を颯爽と走り去っていきました。始まったばかりの自転車生活、とても快適なようですよ。

2006-06-11

6月の新雪

今日の旭岳山頂直下。登山道のところどころを純白の雪が覆っていました。まだ融けていない残雪でしょうか?いえいえ、この時期の残雪はザラメ状で表面が茶色くなっているのが常。真っ白で氷化していない雪は降ったばかりの新雪です。おそらく昨日の夜積もったものでしょう。場所によっては足首まで埋まるほどでしたから、かなりの量が降ったに違いありません。

6月も中旬になってまだ雪が降るのか、とお思いかも知れませんが、ここは北海道最高峰。7月・8月でも降らないとは言い切れない場所。来週末は山開きですが、服装・装備にはくれぐれもご注意を。ちなみに今日の旭岳山頂では薄手のダウンがちょうどよかったですよ。

2006-06-10

ようやくできた・・・

新HP、昨日からようやく公開しました。

http://www.sangakusya-bear.net

ずいぶん前から作りだしたはずなのに、最初は4月中にできあがる予定だったのに、気がつけば6月も中旬になっていました。ほんと、難産でした。

まだ手直ししなければいけない箇所はありますし、新たに付け加えたいものもあります。これからも日々進化していくはずなので、たまに見てやってください。

ちなみにおすすめは「スタッフ紹介」。私たち二人の素顔が赤裸々になります!?

2006-06-09

霧雨の中の花、雲海の上の剣

昨日の剣山。

札幌を朝5時半に出発して、日勝峠を越え、所要3時間で北日高は剣山登山口に到着。峠の手前、日高側は曇りではありましたが視界は良好でした。ところが峠のトンネルを越えると、いきなり濃霧のただ中。前を走る車が軒並み40km/h以下に速度を落としていました。ほどなく着いた登山口も霧雨に濡れています。

遠くの景色がほとんど見えないときに心を和ませてくれるのは、いつだって花たちです。いろいろな花が咲いていましたが、この日一番のお気に入りは、チゴユリ。こういう、あまり目立たないけれど、よく見ると可憐、という花はいいものです。濡れそぼった姿もさらなり。

剣山というのは非常に山らしい山です。登るときはひたすら尾根を登り、下るときは下るだけ。途中で登りかえしなんてありません。ぐいぐいと高度を上げていくと、最後は梯子が現れて、これを4つ登るといよいよ山頂です。

山頂付近で雲海の上に出ました。もうこのあたりは地面も草木も乾いています。高曇りの空から陽射しが薄く射しています。

なかなかの高度感のある山頂には剣が奉られています。すぐそばまで行くことができますが、高所恐怖症の方にはチト辛いかも。残念ながら遠望は効きませんでしたが、ここからの眺めはいいんでしょうねえ。

ぐいぐい下って、今度は一路東川へ向かいます。狩勝峠を越えて所要3時間。到着後は小学校へ直行し、最近始めたサッカーの指導。我ながらハードな一日でした。

2006-06-08

明日天気になあれ

という気持ちをこめて、愛用のザックにこんなものをぶら下げて歩いています。てるてる坊主ちゃん。一緒に山を歩くようになって、かれこれ2年ぐらいになるでしょうか。彼のおかげで晴れた日は数知れず。彼のおかげで大雨のはずがただの雨で済んだ日も数知れず。彼のおかげで大豪雨だったはずがただの大雨で済んだ日だって数がしれません。なんとも頼りになる相棒です。

「明日天気に」などと細かいことを言わず、明後日だって明明後日だって、ツアーのある日はいつでも晴れにしてくれるような、懐の深いてるてる坊主になって欲しいと思っています。

2006-06-07

やっぱりブヨ沼

 きょうは層雲峡を越えて十石峠まで足を伸ばしてみました。

まだまだ尻滑りたっぷり

6月に入りはや1週間が経ちました。雪解けがすすみ、旭岳もすっかり黒い地肌が目立つようになってきています。姿見の池から山頂までの登山道のうち、雪が残っているのはせいぜい7合目くらいまで。あとは、もう山開きが待ちきれないほどの夏山っぷりです。

でも、旭岳の裏側、裏旭野営指定地に向かう斜面は、例年通り雪がたんまり残っています。ほらこの通り。上部でわずかに地面が見えていますが、その他は見事な白一色。

この斜面、雪が無いと歩きにくいことこの上ないのですが、その一方で雪があるときには楽しく下れる場所でもあります。夏でもスキーを担いでここまで来る人は多いですし、もっとお手軽にこんな楽しみ方もあるのです。豪快に尻滑り!米袋など厚手のビニールに座って滑ると快適です。雨具着用でも結構滑ります。雄大な景色を見ながら、一気に滑り降りる快感。この時期ならではの山の楽しみです。

2006-06-06

サイタサイタシャクナゲサイタ

姿見の池から裾合平に向かう途中。冬でも雪に隠れずに岩が列を成している付近。キバナシャクナゲが咲いていました。旭岳周辺では一番咲きでしょう。これからの季節、残雪とハイマツの世界にこの薄クリーム色の花が色を添えていきます。山開きの象徴の花と言えるかもしれません。

2006-06-05

山を見る男の背中を見る

6月4日三国峠。朝8時。快晴のニペソツ山・・・をバックに遙か彼方を眺める背中。アニキ、絵になってるっすよ!