2006-11-30

道南山旅:3日目

夜明け前の函館は青空の下。ようやく今日は山に登ることができそうです。昨日通り過ぎてきた大千軒岳はあきらめて、手近なところで恵山を目指します。

海越しに恵山(618m)。この角度からは一見山に見えません。実際、一番歩くコースを使ってもたいした登りはなく、登山と言うよりは丘陵散策と言うほうがしっくりきます。

登山口は旧椴法華村の住宅地そばにあります。ここから恵山に登り、帰りは別コースを下って海沿いの車道を歩いて帰ることにしました。山を下りてすぐに海があると、どうしてもそこを歩きたくなってしまいます。

朝8時、未だ日陰の登山口はキーンと厳しい寒さに包まれています。気温はおそらく氷点下。積雪がない分より寒い感じがします。体が温まるまでは薄手のダウンジャケットが手放せません。

沢沿いの疎林を1時間ほど歩くと広い台地上のピーク(461m)に出ます。ここまで来ると辺りに高木はなく、すぐ側の海や遠くの山々がよく見えます。台地にはいくつかトレイルが確認できます。景色を楽しみながらゆるゆると歩くには最高の環境でしょう。

461mピーク真向かいに堂々とした恵山。旭岳に似た外観ですが、実際歩いてみると旭岳ほど落ち着いていない若い火山という印象を受けます。

461mピークから一度下り、いよいよ恵山に取り付きます。中腹から噴煙を間近に。

つづら折りの単調な登りに飽きつつも、眼下の海に励まされて山頂着。太陽燦々、海は青く。期待通りの景色を楽しめます。

山頂付近は広く平らで、ちょっとしたグラウンドのよう。もう少し暖かければのんびりと過ごしたいところですが、晴れているとはいえさすがに寒さが身に染みます。早々と下山にかかりました。

山旅3日目にしてようやく青空に恵まれましたが、下山後すぐに天気が崩れだし、車で移動を始めたころには猛吹雪になっていました。悪天の中の一瞬の晴れ間をうまく登山に使えたのですね。ちょっとタイミングがずれていたら、一度も山に登れないまま旭川に帰ることになっていたのかも・・・。

2006-11-29

道南山旅:2日目

今日は狩場山に登り、長いコースを歩く予定でしたが、案の定の悪天。日の出前に起きた瞬間、狩場山登山の中止が決まりました。

朝食後、大千軒岳に向けて南下開始したものの、荒れる日本海と吹きつける風雨に登山口まで移動する気力を喪失してしまいました・・・。こんな天気の中、山中に分け入る気力などなかなか出るものではありません。

そんなわけでさらにドライブ。何年かぶりの函館へ。車でぐるぐる走っていると、いつしか雨はやみ、星空が。

午後4時。五稜郭から見上げる函館山。

午後7時。函館の有名ファストフードチェーン・ラッキーピエロにて夕食。

道南“山”旅は今日で2日目。未だ山には登れず。ただドライブと観光するのみ。明日はどうなる?

2006-11-28

道南山旅:1日目

朝10時に札幌発。今日は島牧村まで移動すれば良いだけなので楽なもの。法定速度をきっちり守るのろのろドライブでも3時過ぎに目的地に到着しました。今宵は道の駅「よってけ!島牧」で夜を明かし、明日狩場山茂津多コースを登る予定です。

道の駅から見上げる狩場山方向。下界には雪は全くありませんが、山肌はほんのり白くなっています。1520mの山頂も当然雪に覆われていることでしょう。雪は慣れっこなので問題はないとして、気になるのはお天気・・・。天気予報でははっきり「崩れる」と言っていました。場合によっては登らずに移動ということになるかもしれません。

夕方4時過ぎには暗くなるこの時期の北海道。明日の好天を信じて、早々と7時就寝。おやすみなさーい。

2006-11-27

ぶらり道南一人山旅

昨年の夏山シーズン終了後、雌阿寒岳・摩周岳・斜里岳・羅臼岳と普段なかなか行く機会のない道東の山に登ってきました(詳しくはこちらの10月25日~10月30日)。

そんな一人慰労会を今年のシーズンオフにも行います。目指すのは道南。旭川からは道東以上に遠い未知の領域です。狩場山・大千軒岳あたりを登るつもりです。

もうすっかり寒い11月末ですが、道“南”だけにまだ冬になりきっていなかろうと、楽観的に出発を決めました。山の雪も大雪山よりは少ないでしょうし、車中泊についても寝袋さえいいものを使えば問題ありません。

ただ一つの気がかりは天気が悪そうなこと。今後1週間冬型の気圧配置が続くそうで・・・。昨年は1週間好天ばかりでしたが、今年はいったいどうなることやら。

まああまり気にしても仕方ありません。久々の旅へいざ!

2006-11-24

夏山シーズンの締めくくり

今年の夏山プログラムにご参加いただいたお客様をお招きして、今シーズンの山行を振り返るスライド上映会を行いました。山以外でお客様にお会いする数少ない機会ですから、私たちも楽しみにしている年に一度の催しです。

会場は昨年に続きトムテさん。東川町の外れにある静かで落ち着いたお店です。真っ白な雪景色の中、煉瓦色の外壁が目を惹きます。お店にたどり着くまでがちょっとわかりにくいかもしれませんが、ぜひ一度訪れてみてください。お気に入りのお店になること間違いなし。おすすめです。

前半は夏山プログラムの写真を楽しみ、その後美味しいお食事をいただき、最後にお茶などいただきながら秘蔵の写真を開陳しました。これは佐久間が大雪山の空撮写真をお見せしているところです。写真を見ながら皆でああでもないこうでもないと話していると、あっという間に過ぎていく4時間でした。

最後になりますが。今年ご参加いただいた多くのお客様に深く感謝いたします。来年も山の思い出作りにぜひごいっしょさせてください。

おっと、その前にスノーシュープログラムをお楽しみいただかなくては・・・。

2006-11-19

つつがなく終わりました

11月19日、黄金山ツアーをもって、2006年夏山プログラム(※)は全て終わりました。ご参加くださったすべてのお客様、ありがとうございました。来年5月まで夏山は一休み。12月後半からは、お待ちかねスノーシュープログラムが始まります。お楽しみに。


※山楽舎BEARの夏山プログラムとは、スノーシューなど冬用装備を使わない登山を指します。夏用登山靴だけで登れる山なら、残雪の上でも新雪の中でも断固“夏山”なのです。

2006-11-16

第3回大雪山国立公園管理計画検討会

新得町で行われた第3回大雪山国立公園管理計画検討会を傍聴してきました(第1回検討会の様子はこちら)。

そもそも“管理計画”とはなんぞや?というのが一般的な反応かと思いますが、詳しくはこちらを見ていただくとして、ともかくその計画とやらがこの度10年ぶりに大きく見直しされるのだそうです。大雪山に関わって仕事をしているものとして、これは聞き逃すわけにはいきません。旭川から新得までは片道3時間弱のドライブとなりますが、気合いをいれて行ってきました。

旭川はここのところおなじみの曇り空でしたが、富良野あたりの山は青空の下。富良野西岳もすっかり雪をかぶっています。ここまで所要1時間。まだ先は長いのです。

いい加減運転に飽きてきたころ、ようやく新得町着。蕎麦屋へ直行。新得と言えばソバ。これ基本。店に入った途端、見知った顔・顔・顔。午後から始まる会議を前に、ほとんどの出席者の方がこのお店で腹ごしらえをしていたようです。

新ソバをありがたくいただきます(一旦手を着けてから撮った写真ですが、お見苦しい点はご容赦を)。ソバ湯も飲み干して満足。

これじゃあまるで新得までソバを食べに行ったみたいですねえ・・・。いえ、ちゃんと会議も真面目に聞いて来ましたから・・・大丈夫ですから・・・。

ともあれ。今回の検討会での結果を基に、管理計画書(案)が公表され、パブリックコメントが受け付けられるそうです。おそらく12月~1月ころになると思いますが、皆さん、環境省にどしどし意見を出してあげましょう。将来の大雪山のために。

2006-11-14

暖かいとおもったら…

以下は「全国地球温暖化防止活動推進センターメールニュース」からの転載です。

地球の気温が氷河期以降もっとも暑く
アメリカ航空宇宙局(NASA)は、地球の気温が氷河期以降もっとも上がっているという研究結果を発表しました。特にここ30年間の気温の上昇はとても早く地球の気温は1万2千年前の氷河期以降、最も高いレベルをも超えつつあります。NASAゴダード宇宙科学研究所のハンセン博士ら研究者は「地球温暖化が進んでさらに2〜3度気温が上がると、地球は今とはまったくちがう惑星になるだろう。これほどまでに温かかったのは約300万年前。そのころは海面が今より25mくらい高かったと思われる」としています。
http://www.nasa.gov/vision/earth/environment/world_warmth.html
(英語ページ)

これぞ官僚!

やらせ質問とやらせ動員が発覚し、政府による世論操作の企みがバレた「タウンミーティング」。こんな姑息な手を使ってまで教育基本法を変える必要があるのかと、疑問をもっている人は少なくないのではないだろうか。多くの問題を抱えた法案をむりやり成立させるのは理不尽だ、是非慎重審議をお願いしたいという旨のメールを送った。いくつかの団体や個人から返信をいただいたが、そのなかでも出色の出来映えは、やはり文部科学省の回答だった。以下がその全文である。

文部科学省です。この度はご意見等を頂きありがとうございました。
頂いたご意見等は今後の文部科学行政の参考にさせていただきます。

 あっぱれ、というか、お見事、というか、絶対に期待を裏切らない姿勢は立派だ。これぞ役人、これぞ官僚、である。こんな大人を大量生産したいがためにこそ、教育基本法を改正したいわけね。

2006-11-13

翌る朝

カーテンを開けると一面の雪。昨夜とは違い道路の上にまで積もっています。一晩で結構降ったようですね。

ぽったりと湿った雪は真冬のものとは違い、昼には融けてしまうでしょう。積もって融けて、積もって融けて。根雪になるまでまだ何度か繰り返します。

2006-11-12

積もりましたな

今し方、車の荷物を取りに外に出ると、うっすら白いものが。

車の上や、

草の上に。

雪です。積もっています。ついに街中にも雪がやってきました。今日は寒い一日で朝から雨が降っていましたから、いずれ雪に変わるだろうとは思っていましたが、それでもやはり直接目にするとなんとなく嬉しいものです。

また少し季節が進んだ一日。もうすぐ本格的な冬ですね。

2006-11-11

葉の落ちた木々

11月も半ばとなれば、平地でもほとんどの広葉樹が葉を落としています。山ともなればなおさらで、この時期は幹の色形がよく目立ちます。

たとえば、こんな木。幹の中程に穴が空いていて、後の青空が覗いています。枝振りもよく見ると面白いもの。脇から延びた方が元気で、今や主になっているかのようです。

遠目から見るのもまたいいものです。未だ青々とした笹原にダケカンバの映えることといったら。幹の白さがいっそう際だっています。

どちらも葉が生い茂っている時には隠されています。何度も言うようですが、晩秋の低山は最高なんですよ。今楽しまずにいつ楽しむ?

2006-11-10

小さいけれどいい山だ。いやむしろ

久しぶりに雨が降らなさそうな一日。そう天気は良くなかったのですが下見に行ってきました。樺戸山地・神居尻山、標高946m。

登山口に向かう道すがら正面に山容が見えるのですが、「え、あれが山頂なの?こんなすぐ近く?」と訝しんでしまうほど小さなこぢんまりとした山です。

とはいえ、この山がまたいい山なんです。今まで登った低山の中では3本の指に入ること間違いなし。なにがそんなに気に入ったかというと、
1)大部分が緩やかな尾根歩きである
2)尾根沿いは背の低いササ+ダケカンバちらほらで展望がよい
3)登りと下りで異なる尾根を歩き、ぐるり周遊できる
まあ、無駄な階段やら気になる点もあるにはあるのですが、そんなの些細なことだと思えてしまいます。

登山口からしばらく続いた急登を登りきると、不意に視界が開けて正面に山頂が現れます。ゆるやかな山です。ここから山頂までは尾根を伝って右から登り左から下ります。

どんな尾根を歩くかというと。真ん中ちょい右あたりから左に向かってゆるゆる登るわけです。晴れていれば右手には日本海と札幌方面の山々が見えるはず。

さらに登るとコース分岐にもなっている小ピークに到着。そこから手前の山頂に向かって最後の登りです。稜線を挟んで右と左の植生の違いが興味深いですね。

山頂からの下り。途中に避難小屋が見えます。この小屋に泊まるのも面白いかもしれません。まだまだ展望の尾根歩きは続きます。

小屋側の尾根からはピンネシリがよく見えます。手前のダケカンバがいい感じ。

小さいけれど、いえむしろ小さいからこその良さがあふれる神居尻山。未登の方はいますぐに、既登の方は旬の季節を逃さないように、さあ登りに行きましょう。低山はまだまだ待ってくれています。

2006-11-08

悪天続き・・・

なんだかはっきりしない天気が続きます。月曜日の夕方から雨が降り出し、昨日も今日もぐずついた一日。天気予報を見ると、明日から一週間同じような天気が続きそう・・・

下見にも行けず悶々とした日々ですが、せめて土日くらいは晴れて欲しいところです。いえいえ欲は出しませんからなんとか曇りくらいでお願いします。この時季の低山はほんと気持ち良いんですから。

2006-11-05

震えるリス

登山道脇で見つけた小さいリス。何があったのか草の陰でブルブル震えています。側によっても一向に逃げる様子もなく、まるで「人間が近づいている」という情報が入っていっていないかのよう。

何かに怯えているように見えますが、こういうのをヘビに睨まれたカエルというのでしょうか。昔、弟が飼っていたウサギが小屋に侵入した猫に殺された時、残されたウサギが同じように震えていました。このリスも何かに襲われた後だったのかもしれません。

手を伸ばせば届くほどの距離まで寄ったとき、リスは力を振り絞るようにしてヨロヨロと笹藪の中に消えていきました。

2006-11-02

日本の秋、カラマツの秋

広葉樹の紅葉は街中ですら終わってしまいましたが、カラマツはまだまだ元気いっぱいに綺麗な黄色を振りまいています。

近くで見て良し、

遠くで見て良し。


上は西興部はウェンシリ登山口近くのカラマツ街道。カラマツの明るい黄色が青空に映えます。下は当麻町から表大雪。白い山の前景に鬱金色の帯。晩秋の風情ですな。

すっかり色の抜けた山の中で、一際目立つカラマツの鮮やかさ。もともと北海道に自生していたわけではないカラマツですが、今やすっかり晩秋の定番となっています。

2006-11-01

晩秋の夕景

地平線に沈み行く夕陽。11月最初の日の入り。日没後はぐっと肌寒くなります。

ついに初雪が降った(らしい)

今朝、とうとう旭川で初雪が降りました。降ったらしいです。降ったとラジオで言っていました。ええ、この耳で聞きました。

山道具お買物ツアーに出かけていて、今日の夕方まで旭川を留守にしていたもので・・・。実際には未確認なのですが。

とはいえ、いよいよ里にも雪が降る季節。なんといったって今日から11月。積もるまではいかなくとも、降るのは当然の季節です。

晴れた日の昼日中はポカポカ暖かではありますが、また少し冬に近づいたのです。