2008-02-29

感慨無量


先日この欄で紹介した写真集『大雪山 大きな自然』が今日の午後届いた。ページをめくるたびに、そのときの情景が思い浮かび、なかなか前に進まない。一般の読者はこの本をどういう気持ちで見るのだろうと、思いを巡らせた。巻末の解説は佐久間が担当している(写真)ので、感慨無量である。
林明輝写真集『大雪山 大きな自然』小学館 ¥3675

こもり続けた平日

今週平日はほとんど外へ出ず、当然山へも行かず、冬眠中のクマのように引きこもっていました。

とっとと確定申告を終えたかったのと、月末恒例の原稿書きと、先日買った古本を読んでしまいたかったのが重なりまして。

おかげでどれも無事終了。

来週はしっかり山漬けなれそうです。

2008-02-25

AFC旭岳ファンクラブ総会


2月22日に「AFC旭岳ファンクラブ」の第一回総会が、東川町農村環境改善センターで開催された。
AFCは、旭岳で活動する山関係者があつまって2003年にできた組織だが、これまでは身内の親睦会的な性格が強く、活動といえば、年四回の通信紙の発行と、山開きのときに環境教育劇を演じることくらいだった。ところが2005年くらいから、外来生物の駆除やカムイミンタラ文化祭への出展などで行政と連携する場面がでてきた。その間、山関係者だけでなく、東川や旭川在住の山愛好家のかたも会員に加わり、いままでのように「なんとなく」運営している訳にもいかなくなってきた。というような次第で、五年目にして初の総会開催となった。
総会では、規約と役員の承認、活動報告と会計報告、今年度の活動について話し合われた。みなさんの熱のこもった議論で、予定していた二時間はあっという間に過ぎ、つづきは懇親会で……という流れに。
ちかくの居酒屋で行われた懇親会にも十名の方々が参加し、旭岳のこと、大雪山のこと、東川町のこと、などについて熱い議論が繰り広げられた。いやいや、"濃い"時間でした。

思いがけず、古本

近くのショッピングセンターに買い物へ行ったら、催し物スペースで古本販売をやっていました。暇つぶしがてらぶらぶら背表紙を眺めていると・・・

あるわあるわ、掘り出し物が。ずっと欲しかったあの本や気になっていたこの本がざっくざく。すでに絶版になっているもの、新品を買うと5000円近くするもの、2~3年前に出たばかりのきれいなものなどが、4冊合わせてたったこれだけ?という値段で買えてしまいました。

帰ってすぐにコーヒーを淹れて読書タイム。思いがけず素敵な本に出会えると、一日ほくほくと過ごせるものです。

2008-02-22

冬の音江山-沖里河山周遊

昨年の秋にツアーで巡った音江山から沖里河山の周遊。低山ながら展望の稜線歩きを楽しめる素敵なコースです。今日は同じコースをスキーで歩いてきました。

冬は林道の除雪がされていないため、登山口は30分ほど手前の採石場になります。お願いして車をおかせてもらい、歩き始めましょう。

週末にたくさんの人が入ったのでしょうか、かなりしっかりとしたトレースがあり、自然と歩くペースも速くなります。

林道を外れ斜面に取り付くと、至る所に滑りを楽しんだ跡が。今日は周遊なのでここを滑り降りるのはお預けです。

標高を上げると深川の町が一望の下。でも雲が低くたれ込めて、遠くの山並みは隠されています。

2時間ほどで音江山到着。夏は背の高い笹に囲まれ、とても展望を楽しめる山頂ではありませんが、冬はこの通り。晴れていれば大雪山だって暑寒別だって見えちゃいます。

ここからが今日の本番。稜線をずっとたどって正面奥の沖里河山まで縦走です。見た感じなだらかな尾根なのですが、思いの外アップダウンがあります。

さすがに風はそこそこあり、気温自体は高いものの、うっすら寒さを感じます。ほぼ中間地点の無名山着。ここで珍しく先行者と出会いました。冬に山で他の人に会うことはほとんどありませんので、妙に嬉しくなってしまいます。その方は赤平から入って一泊されたそうです。

無名山から沖里河山まではゆるっと歩くだけ。これでお天気が良ければ最高の稜線歩きですね。

そして無事、沖里河山に到着!夏も静かな展望台ですが、冬になると一層です。

沖里河山からは、イルムケップスカイラインをほぼたどって夏の登山口経由で採石場まで。途中手で漕ぐ箇所もありましたが、おおむね快適に40分で下山完了。

スキーで滑り降りる楽しみはありませんでしたが、充実の尾根道周遊でした。

写真集


佐久間が2005年から2006年にかけて取材をともにした写真家・林明輝氏の写真集『大きな自然 大雪山』が2月29日に小学館より発売されます。
また、現在発売中の『山と渓谷』三月号巻頭でも特集されております。書店でご覧になってみてください。
写真集の出版記念写真展が富士フィルムフォトサロン東京を皮切りに全国各地で開催されます。日程などの詳細は林氏の公式ウェブサイトで順次紹介されるとのことです。お近くで開催の折には足をはこんでみてください。

2008-02-21

今年2度目の天幕山

前回さんざんな目にあった天幕山に、今日は別コースから登ってきました。

シビナイ川沿いの林道を使うこのコース。踏切からスタートです。左右をよく確認して、素早く渡りましょう。

林道沿いの至る所にできていた“ゆきまくり”。雪が湿っているからこそできる造形の妙。これを目にすると春を感じてしまいます。

林道の上には青い空と白い雲。今日もまずまずのお天気です。

ゆるゆる林道を登ること2時間ほど。最後の1時間は、下りのスキーが楽しみな斜面。

途中振り返ると、すぐそこにチトカニウシ山。あそこもいい山ですよね。

山頂はだだっ広い感じ。展望を楽しみにしていましたが、ここに来て雲が厚くなってきたようです。

天塩岳もニセイカウシペも表大雪も雲の向こうでした。目立っていたのは宇江内山くらいでしょうか。摺鉢山も木に隠されていて、すっきりは見えませんでした。まあ、それでも前回の吹雪に比べればはるかにいい眺めではあります。ツアー本番の4月6日には好天に恵まれますように!

下りは思った通りスキーに適した良い斜面でしたが、サンクラストがひっかかり滑りにくいことこの上ありません。残念・・・。

2008-02-20

うららかな一日

今日の旭川の最高気温は2.4℃。今年2度目の冬日となりました。車道には溶けた雪が流れて溜まり、バシャバシャと音を立てています。太陽の光も暖かく、外を歩いていてもコートなどはいらないほど。春を感じさせてくれるうららかな一日でした。

2月も残り9日。暖かい傾向のまま3月に突入しそうな気もしますし、もう一度びっくりするような寒い日がやってきそうな気もします。さて、どうなるでしょう?

2008-02-19

垣間見る夕映え

朝・昼と快晴の旭岳を楽しむことができたので、それなら夕焼けも!と欲張って、日没まで時間をつぶし、イソイソといつもの場所に移動すると・・・

残念ながら旭岳は雲の中・・・。でも筋状に夕焼けができるという、面白いものを見ることができたので、まあいいかな?

旭岳山麓・瓢沼へ

明け方の寒さはどこへ行ったんだ?2月だというのに、もう春が来たのか?というくらいの暖かさ。ウソみたいに真っ青な空。今日の目的地は、旭岳に向かって左手、御田の原のやや下にある瓢沼です。

ロープウェイ駅の脇から人気のない方に入っていき、1時間ほど登ると旭岳温泉街を見下ろせるようになります。むむ、雲が出てきましたね。

再び1時間ほどゆるやかな斜面を歩くと、溶岩堤防に出くわします。旭岳山麓ではよく見かける地形ですね。

堤防をぐいっと乗り越えると、そこに広がっているのが瓢沼。のびやかな場所でぽかぽかお昼とします。

溶岩堤防と溶岩末端に囲まれている瓢沼からは、遠くの景色を楽しむことはできないのですが、堤防の上からならこの通り。旭川方面も、

遠く十勝連峰も、

普段あまり見ない角度からの旭岳も、ぐるっと見渡すことができるのです。一時出た雲もなくなりました。

きつい登りもなく、森と景色を楽しめる瓢沼コース。スノーシューの良さを教えてくれます。

旭岳温泉の夜明け

せっかく昨年の秋にテントとシュラフを新調したというのに、まだ使っていないのがもったいないということで、下見ついでの前泊を試みました。場所は旭岳温泉。

19時に家を出て20時旭岳温泉着。雪灯りの中で、場所探し・整地・設営を終え、21時過ぎにはおやすみなさい。

寝具は、裏地付きのシュラフカバー・厳冬期用シュラフ・インナーシーツの三層仕様。 この夜の最低気温は-15℃。明け方若干寒さを感じましたが、おおむね快眠でした。

テント内で結露するのはお約束。天井にぶら下げておいた眼鏡に雪の花ができるのも風物詩?

日出直前になると、寝袋の中でじっとしているより、起きて動いている方が暖かく感じるもの。テントから出て、冴え冴えとした朝を堪能することにしましょう。

太陽が昇る前の旭岳。凛とした佇まいは早朝ならではですな。もうすぐ右手から光が当たるようになります。

そしてようやく日の出を迎えます。太陽が出る直前の硬質的な寒さと、直接光を受けた時のじんわりとした暖かさ。テント泊の醍醐味ですね。

食事をして撤収して、さ、下見にでかけるとしますか。

2008-02-18

ツルアジサイとイワガラミとネコ

冬の森を歩いていると天然のドライフラワーがよく目立ちます。真っ白の雪と葉を落とした木々しかない、というわけではないのですね。

一番よく目にするのは、きっとツルアジサイ。ダケカンバの大木などにクルクル巻き付いていて、立派なものはそれ自体が幹に見えるほど。雪を被っている姿が一際キュートです。

一見ツルアジサイと同じように見えますが、よくよく見ると実は違う。イワガラミなんていう花もあります。ツルアジサイとの違いは装飾花についたがく片の枚数。こちらは1枚、あちらは4枚。ツルアジサイよりも珍しい印象です。

ともに、頭上にぶら下がっているのを見上げるのもいいし、雪の上にハラリと落ちているのを見るのも趣深いもの。冬の森を彩る名脇役と言えるかもしれません。

おまけ。登山口近くの道路に佇むネコ。ふわふわ落ちる雪の中、じっとこっちを見ていました。寒くはないのかな?

2008-02-15

久々の大雪

昨日までの三日間で42cmの降雪があった旭川。今朝、窓外を眺めると、その間一度も雪かきをしていなかったお隣さんの車はご覧の通り。
すっかり雪に埋まってしまいました。

ここ一ヶ月、ほとんど雪らしい雪が降っておらず、山でも笹が顔を覗かせているほどだったので、これでようやく冬らしくなってくれたというところでしょうか。

明日明後日のツアーではラッセルが大変そうです。

2008-02-13

雲居山と伊阿根山をつなげて歩く

鷹栖町と和寒町の町境・維文峠の左右に雲居山・伊阿根山という低山があり、3月のスノーシューツアーの目的地になっています。今日は久々に荒天の予報が出ていたのですが、えいやっと歩いてきました。

維文峠の和寒側、福原から歩き始めます。冬季閉鎖となる道道の除雪最終点に車を置けば、雲居山~維文峠~伊阿根山とぐるっと一周するのに好都合なのです。まずは正面に見えている雲居山を目指しましょう。

雪が降りしきる中、林を縫って登っていきますが、ときおり強い吹雪になり前を向いていられないほど。ここしばらくお天気に恵まれていたので、こんなのは久々です。

雲居山山頂は木々に囲まれ遠望は効きませんが、維文峠に向けて下りていく尾根からは鷹栖方面が見渡せます。

一旦道路に出るというのは、いつもと違うパターンで新鮮です。維文峠でちょっと休憩して、今度は伊阿根山への登り返し。

目指す伊阿根山は特徴的な山容をしていました。急登ではありますが直登できないほどではない斜面を登って、平らな山頂部に出ます。晴れていればこの山頂部を歩くのは、さぞ気持ちよいことでしょう。今日は風が強かったので、うつむいて顔をしかめながら歩かざるを得ませんでした。

そんな中でも、ふんわりしっとり雪化粧した枝には目を奪われてしまいます。

下りは車に向けて尾根を一直線。吹雪でも楽しかった雲居山-伊阿根山の周遊。晴れていればいったいどれだけ・・・。ツアー本番が楽しみです。

2008-02-11

今年初

暖かい日が続いているな、と思っていたら、ついにやってきました今年初!旭川では今日、最高気温がプラスになりました。つまり真冬日脱出、というわけです。

といっても0.7℃までしか行かなかったのですが、それでも雪が溶けて水たまりができているのを見ると暖かく感じてしまいます。

まさかこのまま春になるとは思えないので、これから強烈な寒さが戻ってくるに違いありません。一度暖かい日を過ごしてしまうと、寒さはいっそう堪えるでしょうね。

2008-02-10

快晴の大雪山

東北・関東・東海・関西と、本州の至る所で降雪積雪となった週末。北海道は束の間の快晴を堪能させていただきました。

昨日は姿見の池から間近に見上げた快晴の旭岳。今日はやや離れて秀麗なお姿を拝見しました。青空の下の雪山は、キリリと引き締まって見えます。

そして夕方の大雪山。今日は絶対きれいに焼けるだろうと、仕事帰りに撮影スポットまで寄り道しました。その甲斐あってこの夕映え。

たっぷり山景色を楽しんだ一日でした。

2008-02-09

快晴の旭岳

好天の予報の割には旭川から見る大雪山は曇りがちで、もしかしたら今日は旭岳の姿は拝めないかもしれない、とも思ったのですが、いざ旭岳温泉に着いてみれば空は真っ青、山は真っ白。

三連休でこの天気で、となれば、もちろんロープウェイも大混雑。これだけギュウギュウに詰め込まれたのは久しぶりのことです。

そして旭岳。風弱く、太陽の光は力強く、まるで3月か4月のような陽気でした。それにしてもこの快晴、長い冬シーズンの中でも1・2を争う素晴らしさ。旭岳の魅力満喫の一日となりました。

2008-02-08

雪が少ないのを幸いに於鬼頭岳

標高差も歩行距離も結構あるので、雪が締まって歩きやすくなる3月・4月あたりに行こうと思っていた於鬼頭岳。でも、今年の旭川周辺の山はどこも積雪が少ないんですよね。天気も良さそうですし、どさっと降られる前に行ってしまうことにしました。

天塩岳に向かう道沿い、やや幅の広くなっている辺りに車を置き、ちょっと先の林道がスタート地点。予報通りの好天です。

1時間ほど林道をたどり、ゆるやかな尾根に取り付きます。シカの足跡が無数につけられているのを眺めながら、ときに跡をたどらせてもらいながら、ゆっくり登っていきます。

尾根は標高850mあたりで平坦になり、左手の展望が効くように。つらつら連なる山並み、そしてなんと青い空!

標高点931mから、ぐっと近づいた於鬼頭岳。ここまで2時間。さ、もう一登り。

期待通りに雪は少なく、新雪がうっすらと乗る程度でした。らくちんらくちん。

山頂へは尾根の左から巻いていくような感じで。ダケカンバの疎林を縫って気持ちよく行きます。

山頂直下、ちょっとしたテラスで。最後の一登りをどうしようか思案中・・・。スキーを脱いでの直登は急すぎて途中で断念。トラバースして奥から回り込むのがいいかな?

奥までやってきて山頂を振り返るとこの通り。ずいぶん長く雪庇が出張っていて、乗っかるのに苦労しそう。ん~、どうしようか・・・。結論、山頂はまた今度!

ここからでも景色は見られるし、無理して登らなくてもいいでしょう。山頂(直下)まで3時間弱。下りは50分程度。ほとんど登り返しがなかったので、あっという間に滑り降りてしまいました。


帰り際、道道から見た於鬼頭岳。見て良し登って良し眺めも良し。ゴールデンウィーク明けにまだ登れるようだったら、ツアーで行ってみたいものです。