2008-04-25

驚愕!ポロシリ山

昨年4月24日のポロシリ山。急斜面は山肌が見えていますが、歩くルートは締まった雪が沢山残っていて、快適に山頂まで登れました。じゃあ、ということで今年のツアーは4月27日に設定しました。でも・・・

いったいなんなのでしょう、この雪融けの早さは。そして芽吹きの早さも。とても同じ時季とは思えません。これでは日曜日のツアーは場所を変更しなければならないでしょう。

でも、そのまま帰るのもなんですから、行けるところまで行ってみることにしました。最初は沢筋で歩きやすいのですが、一旦尾根に取り付くと雪が残っている箇所はごくわずかで、大部分は・・・

基本こんな感じの薮漕ぎです。笹だけでも鬱陶しいのに、そこにツルが巻き付いてどうにもこうにも。

山頂には行けないまでも、標高点572mまではなんとか、と頑張りましたが、標高450mで敢え無く敗退。笹濃すぎ。それでも今日の最高点からはこれくらいの景色を見ることはできました。

下りは昨年登りに使った造材道をたどります。といっても低いダケカンバやら笹やらをかき分けることには変わりありませんが。沢筋では、(エゾオオ?)サクラソウや

エンレイソウが早くも咲いていました。

見事なリュウキンカも。

今年初めて夏用の登山靴を履いて歩いた、雪のないポロシリ山でした。やれやれ。

2008-04-23

スキーを背負って林道歩き、幌天狗

昨日の浜益御殿・浜益岳に続き、今日は幌天狗です。幌天狗は浜益御殿と違い、直近にツアーがあるわけではないので、まあ気楽な下見と言えるでしょう。

登山口となる林道ゲート。雪が多かろうと少なかろうと、車はここまでしか入れません。雪があればスキーを履くし、無ければ担ぐし。今日はもちろん担いで出発。

雪融け水がじゃぼじゃぼ流れる林道は、場所によってはぬかるんでいて、久々に泥の感触を楽しみました。夏山までもうすぐって感じです。しばらく林道を行くと、標高400m付近で雪が現れ、

標高500mくらいまで登って平坦な尾根に出るとスキーが履けるようになります。といっても好きな場所どこでも歩けるわけではなく、行く手には笹や灌木が立ちふさがり慎重にルートを見定めなければなりません。

標高点745m、尾根が鉤状に曲がっている辺りまで登ると、初めて幌天狗の姿を目にすることができます。ここまでもかなり長かった気がするけど、まだ先は長いなあ。

ようやく雪の量も増え、歩きやすくなった尾根をゆるゆると登って、三等三角点・上ノ二股。さすがに三角点。一段高くなっているため、景色も良く見えます。ちょこんと奥に見える幌天狗に向かうには、大きな壁を登らなければならないのですね。壁には直登したツボ足の跡が幾筋か残っていますが、スキーの場合は右から大きく巻く方が楽できます。

登りきるとようやく間近に幌天狗。長かった・・・。特にスキーを担いでの林道歩きが・・・。

所要4時間で山頂着。ご褒美の絶景、まずは黄金山。もうすっかり雪がありませんね。シラネアオイも早く咲くかな?

山頂から続く稜線の果てに黒々と群別岳。昨日とは90度違う角度から見ています。

そして昨日登った浜益岳。近くの山に続けて登ると、その山域を立体的に理解できるというか、そんな感じがとても面白いものです。

下りはスキーの威力を発揮。標高465mまで灌木かき分け無理矢理滑り降りて、そこまで1時間弱。その先の林道歩きにもう1時間。土の感触を存分に味わった1日となりました。

雪融け跡にリュウキンカ

今年初めてのリュウキンカは、雪融け水が流れ集まる林道沿いでみつけました。

白一色の世界に慣れきっていた目には、それは鮮やかすぎるほどの色。思わず目を奪われ、声をあげてしまいました。

花弁の色、萼の色もさることながら、この瑞々しいばかりの葉といったら!ちぎってお皿に盛ったらそれだけでごちそうになりそうです。

長い冬を越え植物が活動を始めるこの時季は、見ているこちらまで元気をもらえそうな気がします。

2008-04-22

浜益御殿を越えて浜益岳へ

雪融けの早さが心配で(最近こればっかり・・・)、ゴールデンウィーク最終日・5月6日に行われる浜益御殿ツアーの下見をしてきました。いったい雪の状態は?

あーもう予想通りと言えばそれまでですが、絶望的に少雪です。この山のスタート地点は林道の融雪状態次第で奥になったり手前になったりします。今日(2008年4月22日)は標高400m付近まで車で入ることができました。ちなみに2007年5月5日は370mまで、2007年4月18日は標高170mまでしか行けてません。つまり軽く2週間以上雪融けが早い訳です。

歩き始めてすぐスキーを履くことができましたが、雪が残っているのは林道上のみ。大阪山手前のうねうねした箇所はとてもショートカットできる様子ではありません。

大阪山を越えて浜益御殿を眺めると、鞍部の笹がとても目立ちます。これも昨年5月5日以上です。

さらに驚きのスノーモビル乗り入れ禁止幕および看板。昨年の様子と見比べるとその差は一目瞭然です。 もう雪は途切れ、笹を踏まなければ行けなくなってしまっているのですから。

それでも標高550mを越えたあたりから雪が一面を覆うようになってきます。相変わらず灌木はうるさいのですが、スキーでも快適に歩けます。稜線に出た後はこの通り。まだしばらくは雪の心配はなさそうです。問題は大阪山から主稜線に出るまでの間。あとどのくらい雪が残ってくれるやら。

今後のツアーのことを考えるとつい憂鬱になってしまいますが、そんな気分を晴らしてくれたのは浜益御殿からの景色でした。いい形の雄冬山。先行の方の足跡が雄冬山方面に延びていました。

そしてゆるい稜線の先には浜益岳。今日の最終目的地はあのピークです。1時間ほど景色を楽しみながら快適にスキーを滑らせます。山頂直下の雪がぐっさぐさでやや登りにくいか?帰り道に出会ったツボ足のグループは雪に足を取られ苦労しているようでした。

山頂では探すまでもなく三角点が顔を出していました。この大きさは一等三角点ですね。そんなわけで当然ここからの景色も抜群です。

黒々と山肌をさらした群別岳は、鋭角に突き出してかっこいいこと!

一方、暑寒別岳はどっしりとその存在感を示しています。

通り過ぎてきた浜益御殿を振り返って。浜益御殿からの下りはスキーで楽させてもらいました。

天気が良くスキーも楽しめましたが、2週間後のツアーを考えると頭が痛い・・・そんな複雑な一日となりました。本番はどうなる?どうする?

2008-04-21

山頂標識考

最初に断言しておきましょう。個人が山頂に標識を残していくという行為にについて、私は否定的です。

どうしていきなりそんなことを言い出したかと言うと、昨日登った上忠別山で、たまたま行き会ったグループの方が、山頂の木に標識をくくりつけているのを目の当たりにしたからです。今までも個人が作って置いていったと思しき標識を色々見てきましたが、ちょうど置いていく場面に遭遇したのは初めてのことでした。何度となく登った山頂に、今まで標識が無かった山頂に、標識がつけられる瞬間を見て、私は軽く衝撃を受けてしまいました。

個人が山頂に標識を残していくことは、はたしてどういう意味をもつのか。山頂標識について改めて考えをまとめてみることにしました。まずは色々な標識を見てみましょう。

三国山山頂に置かれた標識。 何故か同じものが二つあります。一つは山岳会の名前が入っていました。どちらが先に置かれたものかはわかりませんが、すでに標識があるところにさらに同じものを置いてくるというのは、いったいどういう意図があるのでしょう。

こちらはチトカニウシ山頂に置かれていたもの。チトカニウシ山は、三国山とは違い夏道のない山です。この標識には札幌のガイド会社の名前が書かれていました。

この小さい木板は、幌尻岳の山頂標識にくくりつけられていたもの。書かれていた内容は、山名だけでなく、これを作った方の氏名・住所・登頂年月日でした。

こちらは非常に凝っている山頂標識で、扇沼山に置かれていました。裏面にはなんと、扇沼山を詠んだ和歌が書かれています。

以上の例に共通するのは、「自己顕示欲」ではないでしょうか。誰かのために標識を置くのではなく、「自分が登った証」を山頂に残しておきたい、それを見て欲しい、という意図を強く感じます。だからこそ、すでに標識があるところに同じものを置いてくるし、自分の名前や、会社の名前や、はたまた自作の和歌などが刻み込まれているわけです。そういったものは標識本来の役目(わかりやすい案内を行うこと)を考えると不必要なものに他なりません。

さらに、自己顕示的な標識でなくとも問題は残ります。山頂に標識など不必要と考える登山者も多いはずだからです。特に冬山好きの人ならそういう傾向が強いのではないでしょうか。登山道が整備されている夏山ならともかく、冬山は自分自身でルートを探し、山頂を確認するのが楽しみの一つなのです。初めて山頂に標識を残して来た人は、自分だけがその楽しみを享受し、後から来る人の楽しみを奪っていることに気がついているのでしょうか。

また、人の気配のなさや自然の中での静けさを楽しみたい登山者にとっても、これ見よがしに山頂に残された人工物は邪魔な存在になり得ます。

だいたい、登山する全ての人が山頂に標識を設置したなら、いったいどういうことになるのか。二つ三つあっても見苦しい標識が千万の単位で残されることになるのは少し考えればわかることです。山頂に標識を残す人たちは、「自分だけは特別」という思いがなかったかどうか、我と我が身を振り返ってみる必要があるでしょう。

他人のためにならず、ただ自己顕示のためだけに置かれる山頂標識など、自然を楽しむべき山ではまったく必要のないものです。もし、どうしても標識がなければ寂しいというのなら、こういう簡易標識を持っていき、そして持ち帰ってくるのが思慮深い登山者のありかたではないでしょうか。

自己顕示的な標識はもうまっぴらです。

2008-04-20

薮漕ぎスノーシュー

雪融けの早さがあまりに心配なので、登山口の様子を見に行った上忠別山。今日催行されたツアーでは、なんとか雪をたどって山頂まで行けはしましたが、雪融けの早さ・雪の少なさは私の予想をはるかに上回るものでした。

どのくらい雪が少なかったか、昨年同時季(2007年4月14日)と比べてみましょう。

今年の山頂。

昨年の山頂

今年の尾根。標高600m付近。

昨年の尾根。反対方向を撮っていますが、場所は同じです。

今年の胡桃沢。

昨年の胡桃沢。


もうあからさまに今年の雪の少なさが理解できます。山頂部はまだ全面雪に覆われているので、実際に歩いていてさほど差は感じません。ですが、尾根上の雪の少なさ(雪の無さ)は驚くほどで、完全に笹が出ているのでスノーシューを脱いで薮を漕いで歩かなければならないのです。

下山時に渡った胡桃沢も、昨年は雪を繋いで行けたものが、今年はゴウゴウ流れる川を見ながら倒木を歩かねばならないほど。あと1週間、いえ、あと2~3日遅かったら、山頂までたどり着けなかったかもしれません。

こういう山もたまには楽しいのですが、ちゃんと山頂まで登れるか、あまりハラハラドキドキさせないでほしいものです。

カタクリ、早満開

知る人ぞ知る名所、東川町・キトウシ森林公園のカタクリが早くも満開になっているという噂を聞きつけて、ツアーの帰りにちょっと寄り道してきました。



おお、本当に満開です。例年ならゴールデンウィーク後半が見頃なので、まさか4月中旬でこれだけ咲くとは・・・。ちょっと信じられません。

でも、ここ数日最高気温は20℃を越えていますし、今日などは東京・大阪よりも気温が高かったほどですからねえ。

ちなみに2005年4月23日のキトウシはこんな感じ。

前日に降った雪に覆われて、どことなく寒そうに蕾をしっかりと閉じています。本来この時季はこうなんですよね。

それにしても暖かすぎる今年の春です。

2008-04-18

あんまり心配なので見てきた

2泊3日の下見行がことごとく少雪に悩まされ、しかもずっと6月上旬並みの暖かさが続いていて、かなり心配になってしまいました。週末のツアーで行く上忠別山の、登山口付近に雪があるのかどうか。なにせこの山、夏道がないもので、雪が溶けてしまうと登れなくなってしまうのです。

果たして雪はあるのかないのか、週末のツアーが催行できるのかどうなのか、登山口の様子を見に行ってきました。

登山口へ向かう途中、忠別ダムから望む旭岳。 一週間前に見たときよりずいぶん黒い地肌の面積が増えてきたようです。ますます不安が募ります。はあ。

どきどきしながら更に車を走らせ、やってきました登山口。良かった、これならなんとか登れそうです。昨年同時期に比べると驚くほど雪は少ないのですが・・・。

それにしても、各所でこれだけ雪が少ないと、来週末にツアーで行く山も様子を見に行かないとなりませんね・・・

2008-04-16

沙流岳はぎりぎり登れた

朝早くに音更の道の駅を発ち、日勝峠を目指します。十勝地方をすっぽり覆っていた深い霧は、峠直前ですぱっと切れ、昨日同様真っ青な空となりました。残る問題は雪ですが。

スタート地点となる日勝トンネルそばの駐車場。これなら十分スキーが使えます。さすがに沙流岳まで登れないとなると、本当に何しに来たのかわからなくなりますから、とりあえず、ほっとしました。とはいえ、スタート地点付近の雪はもうすぐなくなりそうです。来週末にはどうなっていることか。ぎりぎり間に合ったというところでしょう。

日勝ピークへの登りは、歩き始めから景色が良いので飽きることなくあっという間です。振り返ると旧国道や熊見山が見下ろせます。斜面には気持ちの良さそうなシュプール。ここを一気に滑り降りたらさぞ爽快でしょう。帰りは期待できそうです。

ちょうど1時間で日勝ピーク到着。東斜面を中心にハイマツがかなり出てきています。

左手にはペンケヌーシ岳から連なる稜線が屏風のように。

日勝ピークから見る沙流岳は頭が真っ白でよく目立っています。ここから一旦下って登り返さなければなりません。

樹林の尾根道をエゾマツ避けながらすいすい下っていくと、あっという間に鞍部に到着します。登り返しは標高差200m弱。太陽が高くなり、徐々に雪が湿って重たくなってきました。

そして 沙流岳到着。所要2時間弱。さっきよりぐっと近づいた感じがするペンケヌーシ岳の山並みを見ながら、陽光の下たっぷりひなたぼっこしていきましょう。

お帰りはこちらの方向。ちょっと白っぽく見えるのが日勝ピーク。これからたどる稜線が白い帯の用になっています。日勝ピークからの滑降が楽しみです。ぱっぱっと帰りましょう。

・・・って、日勝ピークに着いてみれば。せっかく一気に滑り降りようと思っていたのに、水が浮いて滑るどころの話ではなかったのです!ずるずると滑ったかと思うと急に板がひっかかり、ひっかかったかと思うとまたずるっと滑る、この繰り返し。その度に変な声を出しながら、あまり爽快でない滑りに疲れ果ててしまいました。もう少し気温が低ければ良かったんですけどねえ。