2009-12-03

近畿山行・2日目 大峯奥駈道1

11月12日(木) 曇りのち霧雨

いよいよ今日から大峯奥駈道縦走が始まります。

昨日買ったガスカートリッジと朝入れた水が加わり、これでいよいよ完全装備。推定35kgの大荷物は異様な存在感を放っています。宿の人も「??」・「!!」な目で見ていました。こんな重たいもの背負って山を歩くのですから、物好き通り越してちょっとした変態ですよね。ええ、わかっています。ええ、ええ、そうですとも。

宿の目の前にある停留所からバスに乗り奥千本口まで移動。乗車時間はほんの10分ですが、歩けば1時間以上かかります。舗装路をそんなに歩きたくありませんし、ここは乗っておくべきでしょう。

マイクロバスに乗車したのは私一人きり。運転手さんとお話ししていると、やはり大きな荷物に注目されます。熊野まで行くと言うと奇異の目を向けられ、恥ずかしいような誇らしいような複雑な気分になりました。

終点・奥千本口はシンと静まりかえっています。ひんやりとした霧に包まれてあたりは早朝の佇まいですが、実際は既に9時を過ぎています。本当はもっと早く歩き始めたかったのですが、バスの始発に合わせてやむなくこの時刻になってしまいました。

ザックにくくりつけてあったストックを取り出し、いつも通りの長さ115cmに合わせます。靴ひもを締め直したらいよいよ出発。その鳥居をくぐれば6日間に渡る縦走が始まるのです。まずはゆっくりゆっくり行きましょう。荷物の重さを確かめるように、体の様子を確かめるように。

歩き始めてすぐに目に付いたのは、大峯奥駈道を示す案内板。横長の断面図が載っていますが、この行程をこれから歩き続けていくわけです。延々6日間もかかるなんてまだあまり現実味が湧かない感じです。

さて、ここで大峯奥駈道についてさらっとおさらいしておきましょう。
そもそも大峯奥駈道とは、

1)歴史的・宗教的には、吉野と熊野を結ぶ修験道の修行の場としてひらかれた道を指します。とある説話によると、修験道の開祖・役行者は山上ヶ岳で蔵王権現を祈り呼び出したそうです。それが7世紀のお話で、平安時代には既に奥駈修行が盛んに行われていたとか。明治初めの修験禁止令の荒波を乗り越え復興し、今でも年に数回山伏および一般申込者による修行が行われています。なお、大峯奥駈道は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として2004年に世界遺産登録されています。

2)レクリエーション登山的には、吉野から熊野へと続く長大なトレイルを指します。その間、一等三角点が3つも設置されているのですから、この道がどれだけ長いかわかろうというものです。トレイルの北半分には1900mに達する荒々しい山が多く、近畿最高峰にして百名山の一座・八経ヶ岳をはじめ、大普賢岳・釈迦ヶ岳など人気のある山々が連なっています。これらのピークは日帰りでもよく登られているようです。太古の辻を過ぎて南半分に入ると山の標高はぐっと低くなりたおやかな感じになります。南半分を特に南奥駈道と呼ぶそうです。一般的に奥駈道を縦走する場合、日程や荷物の問題があるので、北半分と南半分を分けて行うことが多いかもしれません。

ほどなくして行き着いた金峰神社。早速寺社仏閣が出てくるあたり、いかにも歴史の道を歩いているようで、嬉しくなってしまいます。神社を過ぎると舗装路が終わって山道らしくなってきます。ゆるゆると登り続けて、最初のピーク・青根ヶ峰。山頂を示す標識はあるものの、木立に囲まれて景色は全く望めません。というか、濃い霧に包まれているので、どうせ何も見えないのですが。昨日聞いた天気予報では、まずまずの好天となるはずだったのに。

出発から約一時間。ふっと背中の荷物が軽くなった気がしました。体が慣れたというか、モードが切り替わったというか。これでようやくこれから歩き通す見通しが立ったというところでしょうか。途中何度か車道に出る箇所があったので、おなじみの一枚をぱちり。おそらくこの旅唯一の自分撮り。

車道脇にはきれいに紅葉した楓が多くありました。

杉だか桧だかの木立は霧とよく合うと思うんです。こういう光景は北海道では見られませんから、ついうっとりしてしまいます。本州っぽくって旅情をそそります。

どんどん濃くなる霧に包まれ、ほとんど景色が見えないまま四寸岩山着。谷側の木が皆伐されていて、たいへん展望が良さそうだというのに・・・。休憩もせずに通過。

登山道は基本的にゆるやかな尾根をたどりますが、ときおりにょきにょきと岩が現れたりして興味を惹かれます。大峰山脈はどういうふうにできたんでしょう。地質はどんななんでしょう。

出発から3時間、ちょうどお腹が空いた頃、小屋に行き着きました。二蔵宿小屋です。こぢんまりとしたきれいな小屋です。あたりを包む霧は徐々に湿度を増し霧雨になってきました。せっかくなので中に入ってお昼休憩にします。

おじゃましますっと・・・おお、室内もとてもきれいです。建物自体も新しめな感じですが、それ以上に掃除など日々の管理が行き届いている雰囲気がたいへん好ましく思えます。囲炉裏とストーブも素敵です。最も気に入ったのは室内が明るいこと。屋根の一部が明かり取りになっていて、そこからの光が隈無く降り注ぐのです。雪が少ないからできることなのでしょうけど、これは本当に羨ましい造りです。

ああ、居心地の良さそうな小屋ですねえ。こんな素晴らしい小屋で夜を過ごしてみたいなあ。雨も降ってきたしなあ。荷物も重いしなあ。んー・・・んー・・・泊まるか!今日はまだ3時間しか歩いてなけど、まだ12時台だけど、でもまあいいや!だって、泊まらなかったらきっと後悔するだろうから。今日の分の行動食をつまんで、コーヒー飲んで、読書する。そんな午後に決定。決定!

心配していた水ですが、小屋から10分弱の水場ではご覧の通り充分な水が取れました。よしよし。

今日の行程
奥千本口-青根ヶ峰-四寸岩山-二蔵宿小屋
 09:08 奥千本口 発
 09:35 青根ヶ峰 着
 11:16 四寸岩山 着
 12:11 二蔵宿小屋 着
所要時間:3h03
歩行距離:7.4km
累積標高:+840m/-463m

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