2010-08-31

暑い・・・

日本全国うだるような暑さが続いているようです。ここ北海道も例外ではありません。8月も末だというのに、昨日の旭川の最高気温は32.8度。今年の8月で最も暑い日となりました。今日も30.9度と、真夏日となっています。だいたい北海道の夏はお盆で終わるというのが定説で、それ以降は8月でも肌寒い日があるくらいなのに、今年はいったいどうしてしまったのでしょう。

あまりに暑いので、ここ10年の記録と比べてみたくなりました。2001年から2010年までの各年8月31日の最高気温を以下に示します。


8月31日の気温(℃)
10
30.9
09
21.7
08
28.5
07
22.8
06
23.0
05
27.6
04
23.1
03
24.6
02
24.3
01
22.1


どう見ても今年が圧倒的です。というのも、8月31日が真夏日となったのはここ10年で唯一のことなのです。他の年を見てみると、真夏日はおろか夏日となった日ですら2回しかありません。残りの7回はせいぜい20℃台前半。今年の暑さがいつまでも続いていることがよくわかります。

ちなみに前回8月31日が真夏日になったのは23年前の1987年まで遡ります。つまり今年は「20年に一度」級の暑さだというわけです。

こんなこと調べてたら余計に暑くなってきました。今日も寝苦しい夜になりそうです。

2010-08-30

石ノ沢川からニセイチャロマップ岳

やたらと暑い日が続くから、というわけではありませんが、最近沢づいています。今日は石ノ沢川からニセイチャロマップ岳なる山へ登ってきました。

上支湧別の集落から南下する道を取り、石ノ沢川沿いの林道を進みます。途中で「ペンケ支湧別林道」という立派な看板が立てられています。大変走りやすい林道でありがたいです。標高点623m付近で2万5千分の1地形図には表示のない道に入り、沢と最接近するあたり(標高670m付近)に車を駐めます。

10歩ほど薄い薮をかきわけるとすぐに川原に出ます。川原は広く、水量は少なめ。浅い箇所では足首まで浸からないくらいです。

ここでも土砂崩れと倒木・流木が多く見られました。が、歩くのに支障がでるほどではありません。

しばらく淡々とした緩い流れが続きますが、標高850mくらいから徐々に傾斜が増していき、

標高1000m付近のこの滝を中心に同900m~1100mくらいの区間で険しい沢相となります。途中までは流れの中を無理矢理登っていたのですが、最後は右岸を大きく巻くことに。下りの際、気が付いたのですが、うっすらと踏み跡らしきものもあります。ちまちま巻かないでズドンと大きく巻くのが良いようです。

滝地帯を抜けるとうって変わって穏やかな流れとなります。水量もずいぶん減りました。

ほぼ平らな流れを進むと、今度はナメ滝が連続して現れるようになります。1400m二股までずっとこんな感じ。こういうところは歩いていて飽きないですね。

1400m二股で右股に入ると沢の感じがまたグッと変わります。流れが細くなり水量も減りそして傾斜はきつく。目線の先に稜線が見えてきました。地形図によると山頂ではないようですが、俄然やる気が増すものです。

滑りやすい岩を慎重に登っていきます。登りはともかくとして、下りの際には左右どちらかの草地を歩くほうが安全です。

標高1650m付近の源頭部。積み重なった岩の間から流れが始まっています。

源頭から先は沢形の中を行く薮漕ぎとなります。薮はほとんどが草本で、木本も枝の細いものが多いので、密度の割には苦労しません。

沢形が不明瞭になったら、それは山頂が近い証。薮を抜けた瞬間に眼前に岩壁が現れます。右から巻いて行くと、

山頂はすぐそこ。ハイマツの中に踏み跡が確認できます。

標識の代わりに積まれた石がひっそりと山頂を示していました。屏風岳の向こうに表大雪が見える、素晴らしい展望です。

ぐるり360度、色々な山を見渡すことができます。素晴らしい展望の山です。

今日はこんなにお天気になる予報ではなかったような・・・?ま、ありがたいことですけど。

下山後、上支湧別から奥白滝ICへ向かう途中。振り返るとニセイチャロマップ岳を含む山並みがきれいに見渡せました。中央やや左、少し奥まっている目立たない高まりがニセイチャロマップ岳のようです。登り4時間以上、下り3時間以上。結構疲れる山でした。

2010-08-29

秋空三昧

植物だけではなく、空だって秋の気配を漂わせていますよ。

ほら。

ほらほら。

ほらほらほら!


透明感があるというのか、ハッキリ高く見える空を見ていると、気温が高くても気持ちから涼しくなるものです。

秋の気配

お盆を過ぎたというのに、いつになく暑さが厳しい今年の北海道。それでも山の上では秋の気配がちらほらと感じられます。

まずはチングルマ。

姿見平の鏡池からわずかに裾合平側。涸れ沢を渡ったあたりのチングルマの群生は見事です。真っ白な綿毛をつけ波のように重なっていました。

川の流れのように蛇行している箇所もあります。

変わってこちらは裾合平。綿毛だけでなく紅葉も始まっているようです。燃えるような朱色ではありませんが・・・

綿毛のアップ。毎年のことながら可愛らしい種です。

ホシガラスがハイマツの実を食べた跡。まだまだ緑色で熟し切ってはいませんが、「もう待ってられない!」というほどお腹が減っているのでしょうか。

ナナカマドの実は既に真っ赤になっています。これから葉が赤く変わり、裾合平周辺を彩ります。

高山帯では、ウラシマツツジが絶賛紅葉中。いつもながらお早いことで。

一方、タカネスミレは黄色く変身。

そのすぐ近くでヒメイワタデがオレンジ色になり、二つ合わせてあたりを華やかな雰囲気に包んでいました。

例年だと、もう2週間もすれば紅葉真っ只中の時季。この暑さでは信じられない気もしますが。

2010-08-28

記録的豪雨の跡

観測史上最高を記録する豪雨が大雪山周辺を襲ってからはや4日が経ちました。旭岳ロープウェイは停電のため24日以来運休していましたが、今日の始発便から通常運行に戻りました。その始発便に乗って、姿見平~当麻岳~北鎮岳~裾合平と、表大雪北部を歩いてきました。豪雨の爪痕と思われるものがあちらこちらに見られました。

姿見方面から裾合分岐へと降りていく坂道にて。泥の上に置いてあった踏み板がことごとく流されていました。ステップ下部も洗掘が進んだようです。

同所にて。バラバラに流された簡易木道。水流の激しさが想起させられます。

裾合分岐からピウケナイ沢方面。ここでも踏み板があらぬ方向に流されています。

比較的重くしっかりした木道もこの通り。流され積み重なりしています。

もちろん木道だけではなく、登山道そのものも雨の影響を受けています。斜度があるところはかなりの箇所で雨裂ができていましたが、その中でも目立っていたのは、中岳周辺。登山道が若干狭くなっています。

さらに酷かったのは、中岳分岐から中岳温泉の間。人一人通るのがやっとというくらい崩壊が進んでいます。ここは以前から雨の度に平らな部分が少なくなってきた場所なのですが、今回は一気に進んだ感じがします。数年後には歩けなくなっているのではないでしょうか。

一方、中岳温泉は流された土砂が溜まった場所です。二つあった浴槽が一つになり、残った一つも半分ほどの大きさになってしまいました。数日すれば物好きな方が再び浴槽を掘りに来てくれると思いますが。

裾合平の木道には流されてきた土砂が被っていました。

そこかしこで見られる豪雨の爪痕。今後の修復作業は大変なものになるに違いありません。

2010-08-27

白水川より黒岳へ   

前々から気になっていた白水川から黒岳へと登るルート。ようやく訪れることができました。

国道脇の駐車帯に車を置いて歩き出します。石狩川は増水して茶色く濁っています。白水川の水量も多くなっているのでしょうか。

白水川沿いにつけられた林道は最近整備されたのか、敷き詰められた砂利が落ち着いていて大変歩きやすくなっています。車で走っても快適そうです。

淡々と歩くこと約3.5km。これまた真新しい白水川4号橋を渡ると、すぐに白水川第2号ダムが現れ、立派な林道はそこでおしまいとなります。このダムは二万五千分の一地形図にも記載があります。

入渓点の水量はこんな感じ。浅いところを選んで渡れば膝下くらいの水深です。

地形図にはダムから先にも点線の徒歩道が表記されていますが、写真のように所々その跡が伺えるだけです。崩壊していたり上からの土砂が被っていたりで、ほとんど通行できない状態です。かといって沢中を歩くには水量が多すぎるため、薮漕ぎ+徒渉の繰り返しを強いられる区間になります。今回の豪雨によるものかあるいはもっと前からなのか、沢まで達する土砂崩れがいくつも見られました。

地形図上の温泉マークあたりからようやく沢に足を浸して歩くことができます。1130m付近の二股で進路を左に取ると、その先は小さな滝が連続して現れるように。

小滝の奥で待っている真打ちは奥の大滝。左側から大きく迂回していきます。

薮を漕ぎ大滝を巻き終えると、広くて明るい沢となります。ここからがこの沢の良いところ。

登るに連れて斜度が増し岩は大きくなり。しぶきを浴びながら涼しく登ることができます。

振り返るとこの高度感。視線を上げれば、天塩岳やニセイカウシペなど北方の山が見えてきて良い感じです。

一段登りきってハイマツの平坦地。沢筋が狭くなり、ハイマツが覆い被さっているので、一瞬沢から外れハイマツ漕ぎをしそうになりますが、ハイマツが大変濃く足が地面に着かないほどだったので、おとなしく沢をたどることに。

左手には桂月岳が見えてきて、かなり標高を上げたことがうかがい知れます。

最後の一登り。相変わらず水量はたっぷりとあり、大きな岩を越えるときには流れを受けた下半身がどっぷり濡れるほど。気持ちよいので敢えてそんなコース取りをしてしまいます。

再び平坦地。桂月岳と凌雲岳のコルに出ます。まだまだたっぷりの雪が残り、

エゾコザクラが群生していました。もうすぐ紅葉も始まるというのに、まだこのピンクの花に出会えるとは。

左に折れて黒岳石室への最後の詰め。

振り返ると凌雲岳がどっしりと鎮座し、

沢の奥には北鎮岳が見えています。

ハイマツの上には桂月岳も。ここまでくれば残りはわずか。

奥の平坦地が石室手前の野営指定地です。北大熊研のみなさんが望遠鏡でヒグマ観察している横を通り過ぎ、黒岳石室到着。出発からちょうど5時間。お天気の中の楽しい沢登りでした。

石室前で沢装備を解き、昼食を食べたら下山にかかります。下山は登山道+リフト+ロープウェイなのであっという間です。層雲峡に降り立ったのは石室を発ったほんの1時間半後。層雲峡から駐車帯まで国道脇の歩道歩きで30分。今日はこれが一番辛かったかも。