2011-02-18

ピンクテープはイヤ

私が冬山で嫌いなもの。

一つはもう何度もここで書いていますが山頂標識です。道無き道を歩いていって、どうしてピークで人工物を目にしなくてはならないのでしょう。しかもその多くが他人のために置かれたのではなく自己陶酔・自己顕示的なものであるのが腹立たしいところ。見つけ次第片っ端から外して歩いていますので、大雪山近郊で山頂標識を置いていくのはムダです。やめましょう。

そしてもう一つがピンクテープです。

これです。こういうやつです。

時に視界が数メートル以下にもなる冬山で、こういった目印をつけながら歩くこと自体はある意味必要不可欠とも言えます。ですからテープをつけること自体は構いません。私もたまに使います。許せないのはそれを回収して帰らないこと。つけっぱなしにして帰ることです。帰り道の目印につけたのなら、取り外しながら帰るのが筋ではないでしょうか?

ある人は「残しておけば後で来る人のためになる」と言うかもしれません。でもどこの誰がどんな目的でつけたかわからないテープをまるっきり信用することなどできないのです。必要なら自分でつけますので、どうぞお気になさらず残さず回収して帰ってください。

またある人は「次来るときに使うから」と言うかもしれません。でも、いつになるかわからない「次」までの間、他人を不快な思いにさせて良いのでしょうか。だいたい、テープがなければ登れない人が過去につけたテープをちゃんと見つけられるのでしょうか。

ついでだから言わせてもらうと、回収されずに残されているテープのほとんどはその「つけ方」がなっていません。「つけ方」というのは、「枝への結わえ方」とかいう意味ではなく、「どの地点に目印を置くか」という意味です。下手なつけ方と上手なつけ方は見た瞬間に判断がつきます。ベタベタと数多くつけられているのは下手なテープです。上手なテープは見た瞬間になぜそこに置いたか意図が伝わってくるものです。

そもそも、森林限界以下の山に登るのに、基本的には目印など必要ないのです。地形と地形図をきちんと読めればそれでちゃんと行って帰ってこられます。必要だとしてもせいぜい1~2箇所くらいではないでしょうか。それなのにベタベタとテープを残していくのは、「私は読図のスキルがありません!」と自らの恥を宣伝しているようなものです(たまにテープに山岳会の名前が書いてあったりして呆れてしまいます・・・)。

たとえば、山頂まで続く明瞭な尾根上に数十メートルおきにテープがつけられているのを見たことがありますが、こういうのは恥ずかしいテープの筆頭といえます。尾根への入り口が不明瞭な時とか、主尾根から外れて降りていく箇所に目印をつけるならまだ理解できますが、それ以外に尾根の上につける意味は全くありません。

上手につけられたテープを見ることがないのは、それができる人はそもそもテープを使う必要がないほどしっかりしたナビゲーションスキルを持っているからなのかもしれませんし、つけたものはきちんと回収していくというマナーが身に付いているからなのかもしれません。

ともかく、マナー不足スキル不足という恥をさらさないよう、自分でつけたテープはできるだけ回収して帰ることをオススメします。というか、お願いですから山に無粋なものを残していかないでください。

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