2014-06-23

14.06.21 雲を読む

 6月初旬の極端な高温から一転し長雨に突入した北海道。そんな悪天候からの脱出の節目になるかと思われた6月21日、「死なない!登山術シリーズ 雲の読み方 実践編」が催行された。

前日の予報では晴れ間が出るはずだったのだが、朝起きてみるとドンヨリとした雲が全天をおおっていた。早朝の地上天気図を見てみると、日本海北部に中心をもつ高気圧が毎時20kmで近づいて来ている。パッと見で、天気がよくなりそうな気圧配置だが、さて実際はどうだろう。

事務所を出た段階では、空一面が層積雲におおわれているが、旭川方向(西)の空は雲の切れ間があり、すこし明るい。

すこし走って白金街道を白金温泉付近までいくと、アスファルトが濡れており、視界が悪い。濃霧というか霧雨状態。

望岳台に到着したときには、傘をさして歩いている観光客もいて、予想外の悪天候だ。スマホのレーダー画像には雨雲は見えないので、これは雨ではなく、濃霧ということになる。雲の名前でいうと、層雲のなかにいるということか。

参加者の皆さんと合流し、歩きはじめるうちに、しだいに霧が上がって、上空にところどころ青空が見えてくる。

が、避難小屋のすこし上あたりからふたたび雲のなかに入る。せっかくだから雲の上に出ようと、スリバチ火口まで登ってみるが、残念ながら展望は望めず引き返す。

雲の下まで下りてみると、雲の正体は標高1400m付近に雲底がある積雲であることがわかった。朝方かかっていた層雲は消えている。

さらに望岳台付近まで下ると、山をおおっている積雲は上に成長して雄大積雲になってきているものもあり、所によっては夕立の可能性もありそうだ。

事務所にもどって、午前9時の850hPa高層天気図を見てみると、高度1500mでは、気圧の谷は抜けているものの、北海道付近にはまだ寒気(9℃)が残っていて、大気の状態が若干不安定であることがわかった。天気予報と地上天気図だけでは山の天気は読めないということがわかった一日だった。